先日、父が満89歳で亡くなりました。昨年暮れに体調を崩し、1か月ほどの入院を経て病院で死亡しました。
病院に駆けつけた時にはすでに息を引き取っており、死に目に会うことができませんでした。
もう一つ心残りなことがあります。
父は入院直後は意識朦朧とした状態でしたが、その後意識を取り戻し、入院2週間目ぐらいには流動食を食べられるまでになっていました。
父と同居している私の妹(父の長女)が主に付き添っていましたが、状態が回復した時は妹と二人で、退院後の介護をどうしようかなどと話し合っていたものです。
私は直接聞きませんでしたが、状態がいい時に父は何回か「いちごのアイスを食べたい」と言ったそうです。
「いちごのアイス」が何のことか最初はわからなかったそうですが、よく聞いて見ると、以前食べたことのあるファミリーマートのストロベリーフラッペのことだったようです。
もともと父はアイスが好きで、バニラ系よりもかき氷系のアイスを特に好んでいました。
でも残念ながら、血糖値が高くてインスリンを投与しているような状態でしたので、食べさせてあげることはできませんでした。
通夜の晩、参列者がみんな帰って家族だけが残った時、妹が「フラッペを食べさせたかった」というような話を始めました。
それを聞いて、医師をしている私の長男(父の孫)が「看取りの患者の時は好きなものを食べさせることはあるが、回復を目指して頑張っている患者に対して治療に悪いものを食べさせることはできない。その時はそれで仕方なかったと思う」と言っていました。
それを聞いていた私も、心残りが少し和らいだ気がしました。
そのあと1週間ほど経った初七日に実家に行って、祭壇にストロベリーフラッペを上げてきました。
父ちゃん、旨いか?
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