【医学部受験】普通のサラリーマン家庭が2人の子どもを国立大学医学部に現役合格させた話

私は地方の普通のサラリーマンで妻も働いている共働き家庭です。

10数年前に長男が国立大学医学部に現役合格し、その3年後に次男も国立大学医学部に現役合格しました。

10年ほど前になりますが、私は次男の大学受験が終わった直後の3月に、子ども2人を医学部に受験させる際の親の役割等について体験記を書こうと思い立ち、サマリー(まえがき)と企画書を作り、受験本を多数出している出版社に持ちかけました。

出版社からは「編集会議で前向きに検討する」旨の返事がありましたが、直後に私は1年中土日もほとんど休めないような多忙な部署への異動が決まってしまいました。

残念でしたが、本文を書く時間は到底取れないだろうということで提案を撤回し、体験記は日の目を見なかったといういきさつがあります。

去年からブログを書き始めたこともあり、今回10年ぶりに当時書いた企画書とサマリー(まえがき)を読み返してみました。

もちろんデータなどは相当古くなっていますが、医学部受験の基本的な考え方は今でも通用する部分も多いのではないかと思います。

そこで当時書いた体験記をブログに載せることを思い立ちました。

以下、当時の出版社あて売り込みメール、「まえがき」「企画書」をその時の原文のままお届けします。

出版社あての企画提案メール

(〇〇〇出版社あて)

はじめまして。◎◎と申します。私は普通のサラリーマンで、妻も働いています。

先月、私の二男が△△大医学部医学科に合格しました。3年前は、長男が◇◇大医学部医学科に合格しています。

2人とも、中高一貫でない☆☆地方の普通の公立高校からの現役合格です。予備校や塾には一切行っていません。

先日、同僚との酒の席でそれぞれの子どもの話になり、私も自分の子どもの話をしたところ、「最近はサラリーマンの子どもが医学部に入るのは珍しくないが、兄弟そろって普通の公立高校から国立大に現役合格というのは聞いたことがない。体験談でも書いてみたらどうだ。」という話が出ました。

その時は冗談話でしたが、貴出版社の本を何冊か持っていましたので、ホームページを拝見したところ「原稿募集」の欄を見つけ、無謀にも自分の体験を書いてみようかという気になりました。

今まで本を書いたことなどなく、受験勉強に関するノウハウもありませんが、我々親としては子どもの大学受験には力を入れてきたという想いもあり、受験生の親を対象にしたものを企画してみたところです。

「企画書」と「まえがき」を添付していますので、拙い文章で大変恐縮ですが、お目を通していただければ幸いです。

最後になりますが、貴出版社の益々のご繁栄をお祈り申し上げます。

まえがき

2010年3月

子どもを医学部に入れませんか?

-- 普通のサラリーマンが2人の子どもを国立大学医学部に現役合格させた話 --

まえがき(未定稿)

≪この本は、受験生のための本ではなく、受験生を持つ親のための本です。医療とは全く関係のない普通のサラリーマンが、2人の子どもを、中高一貫でもない普通の公立高校から国立大学医学部に現役合格させた体験記と、それらの体験を通じて気付いた医学部合格のためのポイントや親がなすべきことを書いた本です。≫

3年前に◇◇大学医学部医学科の合格発表があった日の午後4時過ぎ、勤務先で仕事をしていた私の携帯電話に「受かった!」という長男からのメールが入りました。合格発表があった数分後のことでした。

今年△△大学医学部医学科の合格発表があった日の午後5時、自宅でパソコンをいじっていた二男が「合格した!」という大きな声とともに隣の部屋から飛び出してきました。大学のホームページに合格発表が掲載された時間でした。そしてそれは、我が家の大学受験が幕を下ろした瞬間でもありました。

私が子どもの進路について考えるようになったのは、長男が中学3年生になった頃からです。

子どもに充実した人生を歩ませたいと思うのはどこの親でも同じだと思いますが、変化の激しい現代社会にあって、20年後、30年後にも安定した仕事や職業が何かを見通すのは困難です。

それは、私が大学を卒業した30年程前に一流企業であった会社がその後数多く倒産していることや、当時、優秀な東大生が目指した省庁のキャリア官僚に対して昨今は風当たりが強い状況になっていることからもわかります。

しかし、こうした中にあっても、「医師」は、30年前も、今も、そして今後も、やりがいのある仕事と安定した生活が見込まれる数少ない職業の一つではないでしょうか。俗に言えば「医者になれば食いっぱぐれはないだろう」ということです。

このことは、医学部が最難関の学部であることからもわかります。こうしたことから、私は、子どもにはぜひ医学部に入って医師になってもらいたいと思うようになりました。

しかし、子どもの進路は最終的には子ども自身が決めることですから、親がいくら子どもを医学部に入れたくとも、強制するわけにはいきません。

このため、子どもを医学部に入れるための最初の関門は、いかに子どもを納得させて医師志望にさせるかということになります。

しかし、医師でもない普通のサラリーマンにとっては、これが意外とやっかいな仕事でした。医師という仕事のやりがいや魅力などをやや誇張気味に話し、その気にさせようとするのですが、なかなか一筋縄ではいきません。

結局、長男を医学部志望にさせるまで1年程かかりました。この最初の関門を突破するためには、それぞれの子どもの性格に応じて粘り強く働きかけ、その気にさせるしかなさそうです。

この本は、模試の偏差値が常に50未満であるような子どもを医学部に現役合格させるという夢の本ではありません。そんなうまい話はあるはずがありません。

逆に、各種模試で志望大学の判定がいつもAであるような子どもの親に読んでもらってもあまり参考にはならないかもしれません。いつもA判定の子どもは本番でも迷いなく第一志望の大学を受験し、合格するでしょう。

この本は、その間にいる多くの受験生、すなわち、「模試の偏差値が50未満」と「模試の判定がいつもA」の間の、言わば「そこそこ学力のある子ども」をいかに現役で国立大学医学部に合格させるかということを、2人の子どもを合格させた私の体験に基づき書いたものです。

詳しくは本文をご覧いただきたいと思いますが、この「まえがき」では、特に重要な2つの点について、その概要をご紹介します。

1つ目は、医学部受験は親子ぐるみの団体戦であるということです。

もちろん、試験日当日は100%本人の力ですが、そこに至るまでの親の役割は極めて重要です。とは言っても仕事を持ってのことですから、できる範囲でということになりますが・・・。

我が家は私と妻が両方とも働いていますので、平日はあまり子どもに関われません。その代わり、休日はできるだけ家にいて子どもの勉強をサポートするよう心掛けました。

学科の指導は無理ですが、ちょっとした手伝い、例えば、暗記した英単語の確認の相手を務めることぐらいはできます。

また、ほとんどの国立大学医学部入試では面接がありますが、受験前の面接の練習相手としては、適度な緊張感を持ちつつリラックスして練習できるよう、親が最適任者だと思います。

ただ、親があまり関わり過ぎるのも子どもにプレッシャーとなる可能性がありますので、程よい距離感は必要です。

要は、医学部合格のためには、受験生である子どもだけが頑張るのではなく、親子が一緒になって目標に向かっていくという雰囲気づくりが重要だということです。

2つ目のポイントは、情報戦であるということです(特にこれが重要です)。

インターネットをうまく活用すれば、医学部受験に関するほとんどの情報を入手することができます。

どんな情報をどのように活用・分析するかについては本文に詳しく書いていますが、医学部受験で常識と言われていることを鵜呑みにはせず、最新の情報に基づき、子どもの状況を踏まえて冷静に分析し、判断することが大切です。

その作業を通じて、常識と言われるものでも根拠のないことがいかに多いかがわかってくると思います。

例えば、国立大学医学部に合格するためには大学入試センター試験で9割・810点以上の得点が必要ということが一般的に広く信じられています。この「9割神話」(と勝手に呼んでいますが)は、私に言わせれば全くナンセンスです。

以下の表をご覧ください。大学入試センター試験の平均点の推移を示したものです。

【大学入試センター試験の過去5ヵ年の平均点(5-7理系/900点満点)(河合塾公表データ)】

年度 2006 2007 2008 2009 2010
平均点 612点 564点 587点 569点 542点
得点率 68.0 % 62.7 % 65.2 % 63.2 % 60.2 %

過去5年間で最も平均点が高い(=難易度が低い)のは2006年度の612点、逆に最も平均点が低い(=難易度が高い)のは今年度(2010年度)の542点で、その差は70点、得点率にして7.8%の差があります。

ですから、同じ9割・810点でも、2006年度と今年度(2010年度)では全く価値が異なることがわかります。やや無理を承知で言えば、今年度(2010年度)の740点は、2006年度の810点(740点+70点)に匹敵することになります。

「9割神話」は絶対的なものではなく、その年度のセンター試験の難易度との関係で考える必要があるということです。

事実、2007年度に受験し合格した私の長男の得点は750点足らず(約83%)でしたし、今年度の二男も800点には届いていません。最も難易度の高かった今年度は、8割・720点そこそこで国立大学医学部に合格した受験生もいるのではないでしょうか。

センター試験の難易度の高い年度ほど、「9割神話」を信じている受験生が受験を敬遠するため、むしろチャンスと言えるかもしれません。

情報戦の山場は、センター試験2日目の夜から出願大学を決定し出願するまでの約半月(1月中旬~2月上旬)です。

より早く大手予備校等のホームページから最新情報を入手し、センター試験の自己採点結果に照らして的確な情報分析を行ったうえで、前期にどの大学を受験するか、後期にどの大学を受験するかを判断することが決定的に重要です。

そして、この情報戦の主役は、子ども(受験生)ではなく親(情報参謀)が担うべきです。

なぜなら、情報収集と分析には相当の時間と労力がかかり、受験生にとって負担が大き過ぎるからです。

加えて、この時期の受験生は精神的に不安定で、冷静な情報分析と判断ができません。

医学部受験は親子ぐるみの団体戦だと書きましたが、その中でもこの時期は、情報参謀としての親の役割が最も重要な場面です。

センター試験終了後の約半月の間に、的確で詳細な情報収集と分析を行って、最善と考えられる出願大学を子ども(受験生)にアドバイスすることが、合否の鍵を握るといっても過言ではありません。

数年前から医学部の大幅な定員増が続いており、それに伴って国立大学医学部の難易度も、少しずつではありますが低下傾向にあります。国立大学医学部への現役合格は夢ではなく、手の届くところまで来ています。

子どもの進路は最終的には子ども自身が決めることですが、私は、社会経験の豊富な親が社会経験のない子どもに適切なアドバイスをするのは親の務めだと思っています。

医学部3年生の長男は、「医学部の勉強は大変だ」と愚痴をこぼしつつも、我々親が医学部を勧めたことについては感謝してくれています。

高校生を持つお父さん、お母さん、子どもの将来のために、医学部を検討してみませんか? 子どもを医学部に入れませんか?

企画書

タイトル(仮題) 子どもを医学部に入れませんか? -- 普通のサラリーマンが2人の子どもを国立大学医学部に現役合格させた話 --

読者対象  医学部受験生を持つ親、子どもを医学部に入れたいと考えている親

構成(未定)

まえがき

Ⅰ 子どもを医学部志望にするまで

Ⅱ 医学部受験は家族ぐるみの団体戦だ!

 1 団体戦の進め方

 2 父親と母親の役割分担

 3 子どもとの距離感

Ⅲ 医学部受験は情報戦だ!

 1 情報戦の主役は子ども(受験生)ではなく親(情報参謀)

 2 大手予備校等のホームページは宝の山

 3 情報戦の山場は大学入試センター試験2日目の夜から

 4 後期試験の高倍率は見掛け倒し

 5 面接の練習相手は親が最適任者

あとがき

・本文はまだ執筆していません。

・とりあえず「まえがき」を書いてみました(別に添付しています)。読んでいただければ、内容のおおよそのイメージをつかんでもらえると思います。

セールスポイント

・医師や予備校・教育関係者でもない普通のサラリーマンが中高一貫でもない地方普通高校生の2人の子どもを国立大学医学部に現役合格させた実体験に基づき書いたもの(現在の医学部合格者の8割は普通のサラリーマンの子弟と言われている)

・勉強の仕方や参考書・問題集の紹介本ではなく、医学部受験における情報収集・分析の重要性・ノウハウを中心に親向けに書いたもの。読者対象は、受験生ではなく親。

10年後の現在

長男、次男とも医師免許取得後、初期研修医時代を経てそれぞれの道を歩んでいます。

マスコミでも取りあげられるように、医師の仕事は相当きついこともあるようですが、2人とも親から医学部を勧められたことについては感謝してくれています。

私自身の加齢とともに10年前のことも記憶が薄れつつありますが(笑)、まぁあの時は我々親も一生懸命頑張ったような気が今でもしています (^^)

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